Inari について
文具デザイナーとして、ビジネス側を学ばざるを得ませんでした。いまは、それを教えています。
Inari Stationery Strategy は、日本の文具クリエイターが穏やかで実践的な仕組みとともに海外へ広がるための、小さな教育スタジオです。
つくる側の半分。わたしはフェアリーテイルなウェディング招待状一式をデザインしています。マキシマリストで、層を重ねた、装飾を惜しまないもの。封筒の紙厚にこだわる気持ちも、美しいものを仕上げたあとに「これをどう売ればいいのか分からない」という、あの独特の静けさも知っています。
この会社は、その静けさから始まりました。
ビジネス側の半分。20年間、クリエイターのためのEコマースコーチをしてきました。はじめは Etsy、業界の流れとともに Shopify へ。何百軒ものショップと。商品ページ、価格設定、SEO、メールリスト、ローンチ——才能を収入に変えていく、地道な仕事です。
コーチにとどまらず、ビジネスそのものを引き受けたこともあります。経営は彼らの得意分野ではなく、本人たちもそれを分かっていたから。数字は誰かがやらなければなりません。それなら、その紙がなぜ大切だったのかを理解している人間がやるほうがいい。
なぜ日本か
わたしは6年間、横須賀で暮らしました。軍人家族として。言葉を覚えたのは、そこにいたから。観光客の言葉ではなく、ちゃんと人と話したかったからです。
最初の市場調査は、わたしの家族でした。当時、それが市場調査だとは気づいていませんでした。
アメリカの実家にギフトボックスを送っていました。お菓子や小物、その月に見つけたものなんでも。そして毎回、返ってきた反応は同じでした。「文具をもっとくれ」。食べ物じゃない。お土産じゃない。ペン。マスキングテープ。ノート。これまで文具なんて考えたこともない人たちが、急に具体的になったんです。
そういう箱をたくさん送りました。6年間の税関申告書、重量制限、時々届いたときに潰れていた荷物。あの部分も、わたしにとって理論じゃありません。
アメリカに戻ってからも、ずっと立っていたはずの同じ隙間を見続けました。日本の文具に夢中になるアメリカ人と、それにたどり着く明確な道を持たない日本の作り手。アメリカのEコマース側はわたしが知っていました。日本もわたしが知っていました。Inari は、そのふたつを同じ部屋に置いたときに起こることです。
わたしが信じていること
問題はブランドではありません
日本の文具ブランドを見て「もっとアメリカ的にすべきだ」と思ったことは一度もありません。作品はすでに良いのです。足りないのはたいてい、作品とお客様のあいだの層——言葉、数字、箱です。
推測はいちばん高くつきます
海外販売を難しくしているものの多くは、創作ではなく事務です。HSコード、関税、利益率、リードタイム。これらには正解があります。出荷前夜に毎回考え直すのではなく、書き留めておくべきものです。
「小さくても完了」が「大きくていつか」に勝つ
ここにあるものはすべて、午後のうちに終えられて、その週のうちに使えるように作られています。
目指すのは着実さ
バズではありません。5年間、毎週いくつかの海外注文を送り続けるブランドのほうが、一度バズるブランドより価値があります。
わたしの進め方
- すべて日本語と英語で用意しています。日本語はわたし自身が書いています。機械翻訳でも、アメリカ流の助言を辞書に通したものでもありません。
- ガイドとツールにサブスクリプションやアップセルの階段はありません。一度のお買い上げで、ずっとあなたのものです。
- どこから始めればいいか分からないときは、GO Global 診断が教えてくれます。5分、無料です。
- 稲荷は、稲と豊かさ、そして商いの運を見守る神様です。何世紀ものあいだ、商人は良い一年を願って稲荷神社にお供えをしてきました。職人が生計を立てられるように存在する会社に、ふさわしい名前だと思いました。